07. アドトラックとは?導入するメリット・デメリットから相場まで解説します!

公開日:2025.01.20

更新日:2025.01.31

 ”アドトラック(トラック広告)”というPR手法を耳にしたことはありますか?

 アドトラックとは、言わば都内を中心に走行する”広告宣伝カー”のこと。言葉は知らなくても、一度は目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。

 通行人の目を引くポスターやBGMで、車を走行させるだけで大規模な訴求ができるため、業界を問わず注目を浴びているPR手法です。

  

 今回は、そんな大注目のPR手法”アドトラック”について、「導入するにはどうしたらいい?」「導入するメリットやデメリットは?」「相場はいくらか?」などの疑問に答えるためメリット・デメリットから料金相場まで徹底解説いたします!

    

目次

アドトラックとは?

アドトラックのメリット

アドトラックのデメリット

アドトラックの相場は?

アドトラックはどんな企業/商品と相性が良い?

弊社アドトラックプランの特徴

アドトラックに規制はある?

さいごに


アドトラック(トラック広告)とは?

 アドトラックとは、屋外広告全般を指すOOH広告(以下、屋外広告)の一種であり、一般に、公道を走行するトラックの荷台スペースの側面を広告として活用した広告宣伝車の事を指します。

 トラック側面の装飾やコンテンツビジュアル、BGMなどで通行人に大きなインパクトを与え、商材の認知拡大や販促効果に貢献することができます。

 いわばアドトラックは「移動する広告塔」であり、訴求するターゲットとブランドを繋ぐ非常に効率的なPR手法だと言われています。特に、話題性の高いキャンペーンやビジュアルの場合は、リアルタイムなSNSでの拡散も期待できます。さらに、街中でのリアルタイムな接触という特性を活かし、特定の時間帯やエリアを限定し、直接ターゲット層へ訴求できるのがアドトラックの最大の強みです。

 つまりアドトラックは、他にはない”リアルタイム訴求” ”ターゲット層への直接的な訴求” ”大規模訴求” を実現できる唯一無二のPR手法であると言えるでしょう。

  

アドトラックのメリット

 ここからは、実際にPR手法としてアドトラックを導入する具体的なメリットとデメリットについて見ていきましょう。PR手法として、アドトラックを導入するメリットは以下の通りです。

    

①視覚・聴覚への同時訴求

 アドトラックは、目線の高さに広告を配置することで自然と視線を集め、移動しながら広告を展開するため、同時に多くの人々にリーチできる画期的なプロモーション手法です。

 さらに、視覚的なコンテンツと併せてBGMやナレーションを流すことができるため、視覚と聴覚の両方に訴求でき、従来の屋外広告との差別化が可能です。目線に合わせた目を引くコンテンツ+BGMで、走行エリアの通行人から間違いなく注目を集めることでしょう。

②効果的なターゲティング

 他社のアドトラックメニューでは、走行エリアが都内に限定されていることが多いですが、弊社のアドトラックメニューでは、都内に限らず全国遠征が可能です。

 都市部から地方まで、ターゲット層のペルソナに合わせた走行エリア・時間帯を戦略的に設定することで、ターゲット層への直接的な訴求を実現し、効率的なPRを行うことができます。決まった走行ルートでの繰り返しの走行による反復訴求による効果も期待できます。

③コストパフォーマンスが高い

 トラック走行のみ(別途デザイン費用など)で大規模な数の通行人にアプローチできるため、他のマス広告や屋外広告と比較してコストパフォーマンスが非常に高いPR手法であると言えるでしょう。

 以下は、アドトラックを含めた交通広告の相場や訴求人数などの規模を表したものです。

他の交通広告と比較して、アドトラックのコストパフォーマンスの高さが目に見えてわかるかと思います。

  

 

参考:OOH Cmedia 東京メトロスーパープレミアムセット

   交通広告ナビ 電車広告(車体広告)+JR東日本

   VIDEO SQUARE タクシー広告とは?効果から費用、事例まで紹介

  

④SNSでの拡散効果

 インパクトのあるアドトラックは通行人によるSNSでの二次拡散の可能性も期待できます。

話題性を生むタレントを起用することでアドトラックを見た通行人がSNS上で「○○のトラック走ってる!」「○○の広告見にきた」などをつぶやくことが期待でき、アドトラックを見ていない人たちにも商品やサービスの訴求が届くことがあります。

 大多数の通行人やSNSユーザーというオン/オフラインかつ大規模な層に訴求できるのは、アドトラックならではの強みです。弊社のサービスの一つであるジョブカンのアドトラックを走行中、X(旧Twitter)に「ジョブカン」がトレンド入りしSNSで話題になったケースもありました。

        

アドトラックのデメリット

天候や交通状況に左右される

 屋外を走行するため、当日の天候や交通状況に左右されるのがアドトラックならではの大きな特徴でありデメリットの一つと言えるでしょう。雨風や気温、混雑や道路工事による渋滞や通行止めなどの不測の事態により、走行ルートや訴求規模が影響を受ける可能性があります。

商品やサービスを訴求したいターゲット層によって、走行場所や時間を選び、走行当日に天候の状況が悪い場合は担当者と相談するなど臨機応変な対応が求められるでしょう。

広告によっては、ネガティブな印象を与える可能性がある

 先ほど説明したアドトラックのデザイン基準を満たしていても、特定の人にとって不快な印象を与えてしまう恐れがあります。

 都内でアドトラックの走行がスタートした2010年頃、派手な色やライトが装飾されたアドトラックは物珍しく通行人の目を引き話題となったものの、都民からは景観を乱すことや交通の妨げなどによる苦情が相次ぎました。そこから、2024年の法改正が行われたものの、詳細な基準は明確に設けられておらず、「不快になるデザインかどうか」は個人の価値観にゆだねられています。

 配慮した広告をデザインしたとしても、アドトラックの走行自体に好意的ではない人にはネガティブな印象を与える可能性があります。

        

アドトラックの相場は?

 アドトラックを導入するためには、

①訴求内容の選定 ②クリエイティブの制作 ③トラックの手配 ④自治体からの認可を受ける などの工程が必要になります。上記でも述べたように、自治体が定める広告のガイドラインを適切に把握して手順を踏む必要があり、時間やリスク面でのコストを抑えるためにも専門の業者に依頼する方が良いと言えるでしょう。

 アドトラック専門業者は、車両やトラックに掲載するクリエイティブのデザインに特化している企業から、トラックの貸し出しのみを行う企業など様々です。

 また、アドトラックを導入する際の相場は以下の通りです。

▼ 2tトラックの場合

7日間の走行60~80万円
14日間の走行80~100万円
20日間の走行100~120万円
30日間の走行120万円~140万円

▼ 4tトラックの場合

7日間の走行100~200万円
14日間の走行200~300万円
20日間の走行200~300万円
30日間の走行200~300万円

 上記の費用とは別途で、さらにデザイン費、音源製作費、道路使用許可申請費、デザイン審査証発行手数料が発生する場合があります。依頼する企業が外注するかどうか、料金プランにすべて含まれているかどうかをチェックすると良いでしょう。

 アドトラックでは従来の広告とは異なったサイズ感のディスプレイが特徴的であるため、クリエイティブを含めた依頼がおすすめです。どこまで、企業に依頼したいかを今一度検討する必要があるでしょう。

      

アドトラックはどんな企業/商品と相性が良い?

 ここまで、アドトラックについての前提知識から法規制や自治体のガイドラインを参考にした走行基準までを説明してきました。アドトラックを走行させるには、自治体の基準を満たしたデザイン制作と走行場所や時間帯の遵守、届け出が必要であることが理解いただけたかと思います。

 では、PR手法としてアドトラックはどんな企業や商品サービスと相性が良いのでしょうか? 結論から言うと、アドトラックは業種業態を問わないPR手法と言うことができます。

ジョブカンのようなto B向けの商材訴求から飲食店、美容、音楽、イベント、食品など…

画像1つで訴求できればどんな業態でもPRが可能です。商材やイベントそのもの訴求だけでなく、求人広告としても使用できるため、どの業態の方にも検討していただける画期的なPR手法なのです!

 

弊社アドトラックプランの特徴

 弊社は、”ラッピング” 4tトラック”LED” 4tトラックの2種類のプランをご用意しております。

 ”ラッピング” トラックは全体に広告が印刷され、音楽やナレーションを流すことができる音響設備搭載しております。また、広告の内側から照明を当てて広告面を光らせることができます。”LED” トラックは 荷台の側面と背面に高精細の大型LEDビジョンを搭載した「動画が流せる」トラックです。テレビCMやWeb広告用に作成した動画をそのまま使用することが可能です。

 弊社は、クリエイティブ部署とタレントを自社保有しているため、外注することなく依頼の一本化が可能です。トラックに使用する画像やCMを一から制作する場合、影響力のあるインフルエンサーや誰もが知る有名タレントのキャスティングからクリエイティブまでを一括で請け負うことができるため、他社プランと比較してクライアント様の工数を省きながら比較的安価な料金で効果を出すことができるのが弊社の大きな特徴であり、強みです。

     

アドトラックには規制はある?

 2024年、アドトラックに関する法規制が改正されました。2024年6月30日より、東京都内を走行するすべての車でLEDで映像を流すなどの広告放映が禁止されています。これは他の車の運転手や通行人の注意が著しくそがれることによる交通への影響、街の景観への影響を考慮したためです。

  

都内ナンバーに限らず、都外ナンバーを含め都内を走行するすべてのアドトラックにおいて、

①LEDで映像を流すなどほかの運転手の注意力を著しく低下させる恐れのある広告の禁止

②市区町村に走行ルートを事前に示し許可を受ける必要

③業界団体によるデザイン審査

などの決まりが定められています。

  

デザインについては、具体的な基準が定められているのでしょうか。

東京屋外広告協会は、以下のように基準を定めています。

 

【基本方針】

●交通安全に配慮したデザインとすること。

●公共空間に相応しいデザインとすること。

街区の景観に配慮したデザインとすること。

●街区の賑わいに資する洗練されたデザインとすること。

●年齢、性別に係らず人々に不快感を与えないデザインとすること。

●社会的弱者に配慮したデザイン及び公告方法とすること。

   

【広告デザインに関する基準】

(1) 基本的事項

●公序良俗に反しないこと。

●公衆に対し、不安、不快の念を与えないこと。

●暴力、犯罪など反社会的行為を誘発、助長させる恐れのないこと。

(2) 交通安全面から特に配慮、規制すべきデザイン

●信号機または道路交通標識等の効用を妨げるデザインでないこと。

●人や商品等が車道に飛び出すように見えるデザインでないこと。

●自動車運転者等の距離感や平衡感覚を惑わすデザインでないこと。

過度に鮮やかな模様、色彩が使用されていないこと。

●文字表記が多く読ませる形式になっていないこと。

●絵柄や文字が過密でないこと。

●身体の一部(目、口、鼻等)を異常に強調していないこと。

●車体正面(運転者面)の広告宣伝のデザイン表示は、対向車の車両運転者や対向する歩行者の注意力を散漫にする恐れがあるので、極力抑えた表現にすること。

●車体後面の広告宣伝のデザイン表示は、後続する車両運転者の注意力を散漫にする恐れがあるので、極力抑えた表現にすること。

(3) 景観面から特に規制、配慮すべきデザイン

●文字を出来るだけ少なく、絵や写真でイメージを伝えるデザインとすること。

●彩度の高い色、原色、金銀色を広範囲(地色、図色の20%超)に使用しないこと。

●著しくどぎついデザインや、くどいデザインを使用しないこと。

(4) 自主規制すべき事項

●広告表示を目的とした走行は、人々の生活時間帯に配慮すること。

●広告表示面への照明は、出来るだけ明るさを抑え、点滅は禁止とする。

    

 上記より、アドトラックには人々に不快感を与えず、交通の妨げにならない広告デザインを使用しないことが定められていることが分かります。また、過度な絵柄や模様を用いず絵や写真でイメージを伝えるようなデザインで、誇大広告や人権侵害の恐れなどについても言及されています。

 つまり、街中を走行するアドトラックのみの基準に加え、広告内容のガイドラインを定めた広告掲載基準とも重なっていると言うことができます。自治体の基準に満たすデザインを使用するためには専門的な知識も必要になり、アドトラックの貸し出しだけでなくデザイン制作も含めて外部に委託した方が良いことがわかります。

  

参考:公益社団法人 東京屋外広告協会 Ⅵ.広告宣伝車自主審査基準

   東京都環境局 拡声器に対する規制

   広告宣伝車「アドトラック」が使えなくなる?東京都の規制強化の内容とは

   

さいごに

 ここまで、アドトラックとは何か?の概要から導入するメリットデメリット、企業向けの導入方法までを徹底的に解説してきました。効率的でコストパフォーマンスが高いPR手法であるアドトラックを導入するメリットや方法をお分かりいただけたでしょうか?

 本記事が、自社商品のPR活動の一助となっていただければ幸いです。