08. KOL(=Key Opinion Leader)とは?需要が拡大するKOLマーケティングを徹底解説

公開日:2025.01.31

更新日:2025.01.31

 ”KOL(=Key Opinion Leader)”という言葉を耳にしたことはありますか?

 今回のコラムでは、中国を中心にいま世界で需要が高まっている新時代のマーケティング手法の一つである ”KOLマーケティング”について徹底解説していきます!

      

目次

KOLとは?

KOLとインフルエンサーの違い

KOLとKOC(=Key Opinion Customer)の違い

KOLマーケティングの需要が高まっている背景

KOLマーケティングによるメリット

KOLマーケティングによるデメリット

KOLを活用したPRはどんな企業/商品と相性が良い?

KOLを活用したPRを行う方法

弊社タレントキャスティングの特徴

さいごに


KOLとは?

 KOL(=Key Opinion Leader)とは、ある一定の分野に特化した知識や経験を持つ、専門性の高い人物のことを指します。日本では、製薬企業の販売促進に影響力のある医師のことを指す医療用語として長年用いられてきましたが、中国のマーケティング/インフルエンサー業界を中心に上記の意味で使用されるようになりました。

 日本ではまだ知られていないKOLマーケティングですが、インフルエンサー市場が非常に盛んな中国で取り入れられているマーケティング手法のため、まずは世界的にKOLマーケティングの需要が高まっている背景から紐解いていきましょう。

 

KOLとインフルエンサーの違い

 消費者に影響力のある人物を指すKOLですが、インフルエンサーとは具体的に何が異なるのでしょうか。明確な違いは、「ある分野に特化した専門性を持つかどうか」にあります。しかし、その人物は芸能人やタレントに限った話ではなく、インフルエンサーである可能性も大いにあるのです。つまり、キャスティングするKOLがある分野の専門性を持つインフルエンサーであることがあり得るのです。

 実際、在日中国人であるKOLには、ジャーナリストや女優、旅行企画専門家などの職に就いた経験を活かして”日本の観光情報” ”オタクコンテンツ” “ファッションや美容” 等の情報を発信する事例が多くみられます。

  

KOLとKOC(=Key Opinion Customer)の違い

 ここまで、KOLの用語について解説してきましたが、ここではKOLと混同されやすいKOC(=Key Opinion Customer)という用語について触れたいと思います。

 KOCとは、フォロワーが1000人~2万人前後の消費者に近いレベルの影響力を持つ、ある一定の分野に特化した専門性の高い人物を指します。ここでも、専門性を持っていることがポイントとなるため、インフルエンサーとは区別したいところです。

 KOLと比較してフォロワー数による影響力が低いため、ブランディング強化や大規模な販促よりも、消費者との近さを活かした販促や口コミ投稿による話題性創出などのPRと相性がいいのが特徴です。KOCを何人か起用し、それぞれでSNS投稿を行う施策も効果的でしょう。

    

KOLマーケティングの需要が高まっている背景 

 先ほど説明した通り、KOLの最大の特徴は「専門性を持つ」人物であること。ここでは、マーケティングにおいてKOLの需要が高まっている背景について触れたいと思います。

 ライブコマースやインフルエンサーによるマーケティングの最先端を走るのは、中国。中国におけるライブコマースの市場規模は、2023年には約98兆まで拡大しており、国内には絶大な人気を誇るトップライブコマーサー(主にライブコマースを専門とするインフルエンサー)が多数存在しています。

 中国では、インターネットの規制により、自国独自のSNSや検索エンジンを使用するのが一般的です。そのため情報が偏りやすく、「誰の発言か」「発言のエビデンスは適切か」を重要視する傾向があります。その他にも、様々な文化的背景からKOLによるマーケティングの需要が高いと分析でき、中国のライブコマース市場やインフルエンサーマーケティングにおいて、KOLは欠かせない存在になっていると言うことができます。

 日本では、中国ほど市場規模が拡大していないものの、現在の日本のインフルエンサー市場規模は2024年には884億円になり、2027年には1,302億円にまでのぼると言われています。

 また、日本でのライブコマース市場は、約4,199億円と言われており次第に拡大してきています。また、ある調査によるとライブコマース視聴経験者のうち、購買経験があると回答した人は全体の54.8%を占めており、他のPRと比較して、購買率は非常に高いと言うことができます。

    

   

 日本でもインフルエンサーマーケティングが主流となった今、消費者はインフルエンサーのPRに非常に敏感になっています。インフルエンサーがおすすめの商品を紹介しても、自然と「案件ではないか?」「本当に良い商品なのか?」と疑問を持つことに慣れてきているのです。

 しかし、特定分野の専門性を持つKOLによるPRの場合、専門的な視点での訴求で説得力が生まれ、消費者も安心感を抱きやすくなります。相性の良い商材やサービスにとってはインフルエンサー以上の効果的なブランディングが期待できるのです。

  

参考:Marketer by itsumo. 中国・米国のライブコマース市場  

   Cyber Buzz 【市場動向調査】2023年のソーシャルメディアマーケティング市場(以下略)

   snsforce 日本でのライブコマースの市場規模と今後の展望【snsforce】

    

KOLマーケティングによるメリット

 ここからは、具体的にKOLを起用しマーケティングを行うメリットを解説していきます。

①高い専門性で、インフルエンサーよりも強い訴求力を持つ

 KOLはインフルエンサーと異なり、特定分野の高い専門性を持つため発言に説得力があり、インフルエンサーよりも強い訴求力を持ちます。そのため、ユーザーも好感や信頼を持ちやすく、購買率にも影響するでしょう。

②ブランドや商品の信頼性の向上

 KOLによるマーケティングを行うことによって、ブランドや商品自体の信頼性向上につながり、結果としてブランディング強化を実現することができます。

 インフルエンサーによる訴求は影響力が高い反面、「また案件か…」「胡散臭い…」などとユーザーに悪い印象を持たれることも少なくありません。KOLによるマーケティングの場合、ブランドに信頼性を抱きやすくなるでしょう。

③他国のKOLを起用することにより海外展開を実現

 日本ではまだ浸透していないKOLですが、中国をはじめ欧米では一般化しており、海外のKOLを起用することで海外展開を行うことができるでしょう。ただ、海外のKOLを起用するのは非常に難しいため、日本国内で活躍するKOLを起用する方法がおすすめです。

   

KOLマーケティングによるデメリット

 ここからは、具体的にKOLを起用しマーケティングを行うデメリットを解説していきます。

①母数が少ないため、選定~起用が難しい

 KOLマーケティングの最大の難しさは、母数の少なさと言えるでしょう。インフルエンサーによるマーケティングの場合、フリーやインフルエンサー事務所からの起用が一般的ですが、日本国内にKOL専門の事務所はなく、フリーで活躍するKOLが一般的です。

 タレントキャスティング事務所や代理店などを介さず、商品やブランドのイメージと親和性が高いKOLを選定するのは、非常に難しいと言えるため、まずは代理店に問い合わせてみるのがおすすめです。

②ブランドにとって、不利な訴求の可能性がある

 KOLはインフルエンサーとちがい、専門的視点に基づいた信頼性の高い訴求を行えるのが強みです。そのため、ポジティブな発言をするだけでなく、商品のネガティブな所や懸念点に触れる可能性が高いです。商品をどのように紹介するかなど、事前に入念な打ち合わせをしておくことが求められるでしょう。

   

KOLを活用したPRはどんな企業/商品と相性が良い?

 ここまで、KOLを活用したマーケティングのメリットとデメリットについてご相談させていただきました。では実際に、KOLを活用したPRはどんな企業や商品と相性が良いのでしょうか?

 一般的に、ライブコマースをはじめインフルエンサーPRは、「美容コスメ」「アパレル」「ダイエット関連」「ホテル」「不動産」と相性が良いと言われています。KOLを起用したPRの場合、専門性を活かしたPRが可能になるため、専門的な意見を考慮した訴求が効果的な商品と相性が良いと言うことができます。考えられるKOLによるPR案件としては、美容皮膚科や美容クリニック勤務の医師による「本当にイイ美容品紹介」、不動産系経営者による「ホンネで物件紹介」、飲食店経営者がすすめる「今ここが凄い!飲食店」などが挙げられます。

 他ジャンルの商材においても、KOLによる訴求で信頼性が高まるケースが考えられますが、KOLを活用した効果的なPR施策を打つには、慎重なKOL選定と戦略設計が必要になるでしょう。効果的なPRを実現するために、一から探すよりも、インフルエンサーキャスティングやKOL起用に精通する代理店に依頼する方法が効果的であると言えます。

    

KOLを活用したPRを行う方法

 ここまでKOLマーケティングについて解説してきました。では具体的に、KOLを活用したPRを行うにはどのような手順を踏んだら良いのでしょうか。

 KOLを活用したPRを行うには、以下の手順を踏む必要があります。

①PRする商品や訴求方法、媒体などを検討する

 KOLに依頼する前に、ブランド側は事前にPRしたい商品やキャンペーン、訴求方法を考えておく必要があります。発信する媒体は何か、どのように発信するかを考えた上で、親和性の高いKOLを選定する作業に移りましょう。

②KOLを選定する

 一からKOLを探すよりも、タレントキャスティングに特化しているインフルエンサー事務所やタレント事務所に相談することが一番効率的で有効な方法です。実際にSNSで投稿されているコンテンツなどを参考に、キャスティングしたいKOLや訴求のイメージを持っておくとスムーズです。

③KOLを起用(依頼)する

 KOLに案件を依頼するには、代理店を通すか直接依頼する2通りの方法があります。フリーで活動しているKOLの場合は直接依頼する方法が一般的ですが、自社商材やサービスにとって、どれくらい影響力があり、どのような分野に特化しているKOLが最適かなどを見定める上でも、一度、専門的な代理店に相談することがおすすめです。

    

弊社タレントキャスティングの特徴

 弊社はインフルエンサーPRやライブコマースに起用可能なタレントを自社保有しており、他社と比較して低単価でのキャスティングからリリースまでの一本化が可能です。

 KOLとしてビジネス領域の専門的知識を持つ、北森聖士氏との業務提携も開始しましたので、ご興味ある方はぜひ以下をご覧ください。

     

さいごに

 ここまで読んでいただきありがとうございました。今回のコラムでは、中国を中心に需要が拡大しているKOLマーケティングについて解説してきました!マーケティング活動の一助となれば幸いです。

 弊社は他にもさまざまな商材を扱っています。ぜひ、他のコラムもご覧ください。